Home > Archives > 2011-07

2011-07

キッチンセミナー「キッチン・家具の制作と発注のポイント、制作工場の見方」参加報告3/6


写真は中澤建築工房設計のオールステンレスのアイランドキッチン。(骨組みまでステンレス。)
STUDIO KAZ 和田浩一氏のキッチンセミナー3回目の報告です。今回は施工会社CREDOの宮本克典氏のセミナーでした。
キッチンに限らずモノづくりにかかわる仕事すべてに必要な内容でもありました。
ユーザーからみればきちんと出来て当たり前と思うモノづくりの世界ですが、
1.設計意図と違うものが出来てしまうことがあるその理由。
  仕上げが違う、納まりが違う、色味が違う、などの要因としては、
  図面が足りない。設計者と製作者とで共有できてない言葉がある。(例 フィラーか見切りか)。
  FAXやMAILのみで連絡している。制作工場に検品に行かない。(検品に行った時点で直せる場合もある。)
2.大きくハズレないためには、完成品のイメージを共有すること。
  またユーザーとの関係では完成品のテーマを決められたら良い。(例 まっしろ、シャープに、風がぬける、圧迫感のない、)
  機能を追いすぎるとテーマからズレることがある。
  あれもこれも追求しすぎるとスタートしたときのイメージから離れてしまうことがある。
  ユーザーとテーマを共有することで、予算がふくらむことを避けられることもある。
3.図面指示には、品番だけではなくてイメージ表現も効果的。(例 色品番+色味と模様を言葉で表現する)
4.何でもできます。の工場は要注意。安全面のチェックがない場合がある。(これは私見ですが、見積もりが大雑把なところは
  安くても要注意。当たり前なことをやらないことが多い。設計に対して質問の少ないところも要注意。設計図を読み込んで
いない。質問がないと勝手な作り方をしてしまうこともありますね。)
5.建築や設備とのスキマ調整の寸法のラインに、扉などの目地寸法を合わせると全体がまとまる。逆ではない。
6.現場ではなるべくカットはしない。金具付けの加工はしない。なるべく工場で行うように寸法採りと計画を行う。
  (たしかに工場でやったほうがきれいでミスが少ないね。これも段取り力か。例 壁際の扉には必ず工場でステイをつける。)
7.扉のフラッシュパネルにはハニカム芯を入れたほうが、叩いたときの音が良い。
  ポリ合板は塗料の臭いを吸収して臭くなることがあるのでストック場所には注意。またノンスチレン接着剤のものを使う。
8.誠実な組立職人ならば、1度組立てて、全体の様子をみてまたバラして、見切り材や台輪や巾木まわりをまた調整して組み立てる。
  ときにはこれを繰り返すことで全体が強度的に無理なくバランス良く組み上がることを知っている。
  それが実行できるような職人との関係づくりも必要。
9.新しい金物などを使うチャレンジ精神もほしい。検品をよろこんで受けいれてくれる工場でありたい。
  職人はまずマナーが良いこと。自分勝手にやらないこと。ミスしたときなど報告がしっかりできること。
10.現場の墨だしは設計者と施工者(現場監督や職人)で一緒にやる。

  

キッチンセミナー「キッチンディーテイルのポイント」参加報告2/6


写真は中澤建築工房による改修工事の実例。U型キッチン。天井の大きな範囲を照明化している。
STUDIO KAZ 和田浩一氏のキッチンセミナー2回目の報告です。私の理解による解釈が混ざります。
ディーテイル(詳細)を考えることはカンケイ(関係)を考えること。
建て主がどんな暮らしをしているか?どんなとき笑っているか?を念頭において設計すると言われました。
1.建築とのカンケイ キッチン家具の精度にくらべたら建築の精度はおおまかなのでそこのすり合わせが大切。
  床とのカンケイ 床の不陸の吸収を台輪で行う。台輪の高さは小さいほど美しいけど、部屋の巾木高さに合わせるか、
          足元キックスペースの確保で65mmが標準。キックスペースに余裕もたせて足元間接照明つけることもある。
  壁とのカンケイ 垂直誤差のある壁とのスキマ処理の2つの方法。
          スキマ20mm以下の場合はこのスキマのに付けるフィラー材を扉面より引っ込める。
          スキマがそれ以上になる場合は40mm程度にしてスキマではなくパーツとして扱い、扉面と同面とする。
  天井とのカンケイ 壁と同じ考え方で、扉を開けたとき、天井機器に当たらないようにする。
  窓とのカンケイ 腰高窓の窓台を兼用した形で箱の天板を伸ばしてつくる。天板も広くなり、掃除もしやすく、機能的で美しい。
2.部分ごとのカンケイ
  箱と扉 でっぱり引手なしの彫り込み引手が基本。箱の有効体積を減らさないための寸法の工夫がある。
      扉の戸先も吊り元も留め加工(45°合せ)で納めるやり方もある。
  箱と天板 天板をステンレス4mmでやる場合。天板を80mm程に厚く見せる場合。
3.動きとのカンケイ 扉の動きはなめらかになるように。見え方としてはアウトセットが基本。
           ガラス引き戸はなるべくスキマをつくらない工夫が必要。
4.設備とのカンケイ IHヒーターのガラストップは天板を加工して天板と同面で納める。
           水栓金具はなるべく小さいもの。
           ウォールオーブンがおすすめ。
5.工事業者とのカンケイ 制作の方の図面と取付のための図面をわけて整理して描く。
6.その他 ほこり止め塗装済シナ合板を使う。大きな建具の場合そり止調整金具をあらかじめ付ける。
      細かいチリ逃げ寸法。目地寸法など極力揃える。
7.私のコメント 使いやすさはもちろんのこと、美しいという気持ち良さのために、徹底的に細部を考え実行する姿勢に
         おおいに共感しました。1つ1つのディーテイルをもれなく考えていくことが、全体の印象に
         大きく貢献するということを建て主に伝えたいですね。

キッチンセミナー「プランニングのポイント」参加報告1/6

写真は中澤建築工房の仕事です。3mm厚の1枚のステンレス板を曲げて、曲げて立体化してつくりました。
曲げるのも掃除の手が入りやすくするために半径10mmの曲面がついてます。
カウンターの4辺が全て立ち上がっていますので、水じまいが良いです。
STUDIO KAZ 和田浩一氏のキッチンセミナー第1回目の報告です。
テーマは「キッチンプランニングのポイント」です。
(私の私見なども混ざってます。自分が理解したことしか伝わらないことも多々あると思います。)

1.キッチンという言葉は2つの意味の使われ方をされている。
  家具(モノ)としてのキッチン  と  空間としてのキッチン  である。
2.空間としてのキッチンという視点。
  キッチンは使いやすいだけでなく、美しくて、雰囲気をつくっていることが必要ではないか。
  キッチンに立つ時間より、他からキッチンを見る時間のほうが長いので、見せ方をしっかり考える。
  使わないときの存在感を考える。
  家族の生活シーンをつくるキッチン。と表現されていました。
  生活のシーンということの具体例では、
  例えば、お母さんが調理しているのがカッコよくみえるキッチン。
 (キッチンがカッコいいというより、そこで行為する人間がカッコよくみえるのが良い。これができれば、
  こどもが私もお母さんのようにキッチンでやってみたいと自然に思えるかもしれません。
  このことはキッチンに限らず、例えば、書斎でお父さんがカッコよくみえるように。とか、
  トレーニングルームで大人がカッコよく見えるようにとか、いろいろ応用できますね。)
3.家族には特徴があるので、その特徴をつかむと方向性が決まる。
4.キッチンデザインは食生活をデザインすること。
  その家族は食生活をどうとらえているか?
  食事にからむ家族のコミュニケーションのデザインをすることになる。
5.いまどき多いオープンキッチンの弱点。
  キッチンが家の中心にあってあまりにオープンだと、いつもキッチンのなかで生活しているような感じになるけど?
  調理の音がTVや会話をさまたげる。
  調理臭が部屋にひろがる。(IHのほうが上昇気流がないぶんガス火力より臭いが広がりやすいそうだ。)
  煙が排気しきれない。
  それでもオープンキッチンを望むなら、キッチンらしくないキッチンにするという手もある。
  具体的には、吊り棚と冷蔵庫とレンジフードの納め方の影響が大きいので工夫する。
6.使う人の創意工夫ができる余地を残す。あまり細かく使い方を規定しない。例えば引き出しの中は仕切らずに
  そのままにして使用者に任すなど。

抽象的であることって?


いらないと思える線を極力排除した空間があります。
巾木・回縁・出入口の枠・窓の枠・電気スイッチのプレート・照明器具などが一切見えません。
ガラスがはまっている枠も目に入らないようになっています。
その空間に身をおくと僕個人はすこぶる気分が良い。
そこに花があるなら、その花の有様が強調されているような感覚になります。
その花に意識が集中しやすい感じがあります。
何故か?
空間にノイズがないからと言えるのではないでしょうか?
前出の各パーツはあればあったで、ノイズかと言われるほどには気にはならないとも言えますが、
ない空間をしみじみ味わうと、かのパーツ達はやはりノイズに思えてくるのです。
ノイズがないと感じるのだから、静寂なイメージが広がっています。
これは意味あることですね。
具体的なパーツ類が少ないと抽象的な雰囲気が濃くなるとも言えます。
抽象性が増すとどんな気持ちになるでしょうか?
かの部屋には照明器具も見えないのですから、いわゆる間接照明です。
壁や天井・ときには床のある部分がボワーンと光って、部屋のあかりとなっています。
ボワーンと表現したのは光がグラデーションをつくっているからです。
これがまた美しい。光の性質を利用した効果です。
抽象的であることとは、
特定の意味や感じ方の方向性を限定しないことです。
人側の見方感じ方によっていろいろ違ってみえることです。
こちらの気分によって違って感じることです。
これは気持ちの方向性を指図しないことだと思います。
揺れ動く気持ちの幅に応えるものです。
人の気持ちを受容する許容度が高いと言えるのではないでしょうか。
この抽象性は人に解放感を与えていると言えそうです。

Home > Archives > 2011-07

Search
Feeds
Meta

Return to page top